制作会社の3タイプと自社に合うタイプ診断

「制作会社はたくさんあるけど、違いがよく分からない」という声をよく聞きます。実は制作会社は大きく3つのタイプに分類でき、それぞれ得意領域が異なります。自社に最適なタイプを選ぶことが、プロジェクト成功の第一歩です。

制作会社の3つのタイプ

タイプ1:戦略系Web制作会社

特徴:

  • マーケティング戦略から提案
  • データ分析に強い
  • 改善提案が得意
  • 比較的高価格帯(500万円〜)

得意領域:

  • ブランディングサイト
  • 大規模リニューアル
  • マーケティング統合型サイト
  • グローバルサイト

こんな企業におすすめ:

  • 予算に余裕がある(500万円以上)
  • ブランド価値を高めたい
  • 長期的な成長を重視
  • 戦略から相談したい

タイプ2:デザイン系Web制作会社

特徴:

  • ビジュアル表現に強い
  • UI/UXデザインが得意
  • クリエイティブな提案
  • 中価格帯(200〜500万円)

得意領域:

  • ブランドサイト
  • プロモーションサイト
  • ECサイト
  • 採用サイト

こんな企業におすすめ:

  • デザインにこだわりたい
  • 競合と差別化したい
  • ターゲットが若年層
  • ビジュアル重視の業界

タイプ3:技術系Web制作会社

特徴:

  • システム開発が得意
  • 複雑な機能実装が可能
  • 保守運用体制が充実
  • 価格は機能次第(100万円〜)

得意領域:

  • 会員制サイト
  • 予約システム
  • 業務システム連携
  • カスタムCMS開発

こんな企業におすすめ:

  • 特殊な機能が必要
  • 既存システムとの連携必須
  • セキュリティ重視
  • 長期的な保守が必要

自社診断チャート:最適なタイプを見つける

Step1:優先事項を選ぶ(3つまで)

・A:ビジネス成果を出したい
・B:ブランドイメージを向上させたい
・C:見た目のインパクトを重視
・D:ユーザビリティを改善したい
・E:複雑な機能を実装したい
・F:既存システムと連携したい
・G:コストを抑えたい
・H:運用を任せたい

Step2:診断結果

A・B・Dが多い → 戦略系がおすすめ B・C・Dが多い → デザイン系がおすすめ E・F・Hが多い → 技術系がおすすめ

各タイプの詳細比較表

項目戦略系デザイン系技術系
強みビジネス理解力表現力実装力
価格帯高(500万〜)中(200〜500万)変動(100万〜)
納期長い(4〜6ヶ月)標準(3〜4ヶ月)機能次第(2〜6ヶ月)
提案力
デザイン力
技術力
サポート
柔軟性

タイプ別の見極め方

戦略系を見極めるポイント

ポートフォリオで確認:

  • 大手企業の実績が多い
  • リニューアル前後の成果を掲載
  • 戦略説明が詳しい

提案書で確認:

  • 現状分析が深い
  • KPI設定が明確
  • 改善プロセスが具体的

質問してみる:

  • 「過去の成功事例でROIはどれくらいでしたか?」
  • 「どんな分析ツールを使っていますか?」
  • 「改善提案の頻度は?」

デザイン系を見極めるポイント

ポートフォリオで確認:

  • デザインのバリエーションが豊富
  • 業界のデザイン賞受賞歴
  • トレンドを押さえている

提案書で確認:

  • ムードボードやコンセプト提示
  • 複数のデザイン案
  • ブランドガイドライン作成

質問してみる:

  • 「デザインプロセスを教えてください」
  • 「UI/UXの考え方は?」
  • 「デザインの修正は何回まで?」

技術系を見極めるポイント

ポートフォリオで確認:

  • 複雑なシステムの実績
  • 大規模サイトの経験
  • 技術仕様の記載

提案書で確認:

  • 技術仕様が詳細
  • セキュリティ対策の説明
  • 保守運用プラン

質問してみる:

  • 「使用する技術スタックは?」
  • 「負荷テストはどう行いますか?」
  • 「障害時の対応体制は?」

ハイブリッド型という選択肢

最近は複数の強みを持つ「ハイブリッド型」も増えています。

戦略×デザイン型

  • ブランディングに強い
  • 高価格帯(400万円〜)
  • スタートアップに人気

デザイン×技術型

  • ECサイトに強い
  • 中〜高価格帯(300万円〜)
  • UI/UXとシステムの両立

小規模万能型

  • 幅広く対応可能
  • 低〜中価格帯(100〜300万円)
  • 中小企業に人気

失敗しない選び方の5つのコツ

1. 目的を明確にする

目的の例:
- 売上を上げたい → 戦略系
- イメージを変えたい → デザイン系
- 業務を効率化したい → 技術系

2. 予算とのバランスを考える

予算の目安:
- 100〜200万円:小規模万能型
- 200〜500万円:デザイン系/技術系
- 500万円以上:戦略系/ハイブリッド型

3. 社内体制を考慮する

社内体制との相性:
- マーケティング部門あり → デザイン系/技術系
- マーケティング部門なし → 戦略系
- IT部門あり → デザイン系
- IT部門なし → 技術系

4. 将来の拡張性を考える

拡張計画との相性:
- 機能追加予定 → 技術系
- ブランド展開予定 → デザイン系
- 事業拡大予定 → 戦略系

5. 相性を重視する

相性チェックポイント:
- コミュニケーションスタイル
- レスポンスの速さ
- 提案の的確さ
- 担当者の人柄

タイプ別おすすめ度診断

あなたの状況をチェック

予算:

  • ✔︎ 潤沢にある(500万円以上)
  • ✔︎ そこそこある(200〜500万円)
  • ✔︎ 限られている(200万円以下)

目的:

  • ✔︎ ビジネス成果重視
  • ✔︎ ブランディング重視
  • ✔︎ 機能実装重視

社内体制:

  • ✔︎ 戦略を考える人がいる
  • ✔︎ デザインが分かる人がいる
  • ✔︎ 技術が分かる人がいる

タイムライン:

  • ✔︎ じっくり時間をかけられる
  • ✔︎ 標準的なスケジュール
  • ✔︎ 急いでいる

診断結果の読み方

チェックが多いほど、そのタイプとの相性が良いです:

戦略系向き:

  • 予算潤沢+ビジネス成果重視+時間をかけられる

デザイン系向き:

  • 予算そこそこ+ブランディング重視+戦略人材あり

技術系向き:

  • 機能実装重視+デザイン人材あり+標準スケジュール

まとめ:タイプを理解して最適な選択を

制作会社選びで失敗する原因の多くは、タイプのミスマッチです。

選択のポイント:

  1. 自社の優先事項を明確にする
  2. 各タイプの特徴を理解する
  3. 予算と期待値のバランスを取る
  4. 社内体制との相性を考える
  5. 将来の展開も視野に入れる

「安いから」「有名だから」という理由だけで選ぶのではなく、自社のニーズに最適なタイプを選ぶことが、プロジェクト成功への第一歩です。

まずは自社診断を行い、どのタイプが最適かを見極めてから、具体的な制作会社選びに進みましょう。タイプが合っていれば、細かな違いはコミュニケーションで解決できます。

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