制作会社選びで後悔しない相見積もりの取り方

相見積もりで金額差が10倍になる本当の理由

「50万円から500万円まで、なぜこんなに差があるの?」

Web制作の相見積もりを取ると、誰もが驚く金額差。実は安い見積もりほど危険な理由があります。

1. 見積もり比較の正しい見方

金額だけで比較してはいけない5つの理由

比較項目安い会社の実態適正価格の会社
デザインテンプレート使い回しオリジナルデザイン
修正回数1-2回まで(追加は有料)5回以上含む
納品物HTMLのみデザインデータも納品
著作権制作会社に帰属発注者に譲渡
保守対応別途高額契約初年度サポート含む

見積もりで必ずチェックすべき項目

✅ 制作範囲の明記
  ・ページ数と各ページの内容
  ・スマホ対応の範囲
  ・ブラウザ対応範囲

✅ 修正・変更の条件
  ・無料修正の回数
  ・修正対応期間
  ・追加料金の単価

✅ 納品物の詳細
  ・ソースコード
  ・デザインデータ(PSD/Figma等)
  ・画像の元データ
  ・マニュアル・仕様書

✅ 権利関係
  ・著作権の帰属
  ・写真・イラストの利用範囲
  ・システムのライセンス

2. 制作会社の得意分野を見極める

会社タイプ別の特徴と向いている案件

タイプ得意分野向いている案件予算目安
デザイン系ビジュアル重視ブランドサイト、採用サイト200万円〜
マーケティング系集客・SEOECサイト、リード獲得150万円〜
システム系機能開発会員サイト、予約システム300万円〜
格安系とにかく安い名刺代わりの簡易サイト30万円〜
フリーランス柔軟対応小規模サイト、LP50万円〜

実績の正しい見方

ダメな見方:

  • 有名企業の実績があるから安心
  • 制作数が多いから信頼できる

正しい見方:

  • 同業種・同規模の実績があるか
  • 1年以上前の制作サイトが今も稼働しているか
  • リニューアル前後の数値改善事例があるか

3. 避けるべき制作会社の10の特徴

契約前に分かる危険信号

  1. 見積もりが1枚だけ

    • 詳細な内訳がない
    • 「一式」という表記が多い
  2. 打ち合わせを急ぐ

    • 「今月中に契約なら20%OFF」
    • 他社の見積もりを見せるよう要求
  3. 実績サイトのリンクが切れている

    • メンテナンスされていない証拠
    • アフターフォローが期待できない
  4. 担当者がコロコロ変わる

    • 見積もり時と契約時で別人
    • 営業と制作の連携が悪い
  5. 技術的な質問に答えられない

    • セキュリティ対策が曖昧
    • バックアップ体制が不明

契約書で見るべき地雷条項

🚨 危険な契約条項の例

❌「納品後の修正は一切対応しない」
❌「制作データの著作権は弊社に帰属」
❌「サーバー・ドメインは弊社管理必須」
❌「解約時はサイト削除」
❌「月額費用を払わないと表示停止」

4. 制作会社への正しい依頼方法

RFP(提案依頼書)に書くべき7項目

  1. 予算範囲

    上限: 300万円
    内訳: 初期費用 250万円、年間保守 50万円
    
  2. 納期

    キックオフ: 2月1日
    デザイン確定: 3月15日
    公開希望日: 4月30日
    
  3. 目的とKPI

    目的: 問い合わせ数の増加
    現状: 月5件 → 目標: 月20件
    
  4. 必須要件

    - WordPressで構築
    - 社内更新可能
    - SSL対応
    - GA4設定
    
  5. 参考サイト

    デザイン: https://example1.com
    機能: https://example2.com
    
  6. 提供可能な素材

    - ロゴデータ(AI形式)
    - 商品写真 100枚
    - 会社案内パンフレット
    
  7. 選定基準

    - 実績 30%
    - 提案内容 40%
    - 価格 30%
    

5. 相見積もりの適正社数と断り方

効率的な相見積もりの進め方

フェーズ社数期間ポイント
初期調査10社程度1週間Webで情報収集
問い合わせ5社程度1週間概算見積もり依頼
詳細見積もり3社2週間対面orオンライン商談
最終選定1社1週間契約条件の詰め

プロの断り方テンプレート

件名: 見積もりご提案の件につきまして

○○会社 ご担当者様

この度は詳細なご提案をいただき、誠にありがとうございました。
社内で慎重に検討させていただきました結果、
今回は別の会社様にお願いすることとなりました。

ご提案内容は大変魅力的でしたが、
[具体的な理由:予算面/納期面/機能面]の観点から、
弊社の現状により適した提案を選択させていただきました。

貴重なお時間をいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
また機会がございましたら、ぜひご相談させていただければ幸いです。

まとめ:制作会社選びの成功法則

失敗しない選定フロー

  1. 目的を明確にする(1週間)
  2. RFPを作成する(3日)
  3. 5社に問い合わせる(1週間)
  4. 3社と面談する(2週間)
  5. 参考サイトを訪問/電話する(3日)
  6. 契約書を弁護士にチェックしてもらう(3日)
  7. キックオフミーティング実施

総期間:約1ヶ月

この期間を短縮しようとすると、必ず後悔します

良い制作会社は、あなたの質問に丁寧に答え、リスクも正直に伝えてくれます。「すべてお任せください」という会社より、「これは難しいですが、代案があります」と言える会社を選びましょう。

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