CMS選びで絶対に失敗しないための5つの質問

99%の人が間違えるCMS選びの落とし穴

「人気だから」「安いから」「簡単そうだから」

こんな理由でCMSを選んで、1年後に作り直しになるケースを数え切れないほど見てきました。

実は、たった5つの質問に正直に答えるだけで、あなたに最適なCMSが見つかります。制作会社に相談する前に、この質問に答えてみてください。

質問1:誰が更新するのか?

なぜこの質問が最重要なのか

CMSの「C」は「Content」、「M」は「Management」です。つまり誰がコンテンツを管理するかが、CMS選びの出発点です。

更新者のスキル別CMS適性表

更新者のタイプスキルレベル最適CMS避けるべきCMS
社長・経営者PC基本操作のみWix, JimdoWordPress(高機能版)
事務員・総務Excel使えるSTUDIO, WixEC-CUBE, Drupal
営業・マーケブログ投稿経験WordPress, STUDIO独自CMS
Web担当者HTML基礎知識WordPress制限の多いWix
エンジニアプログラミング可WordPress, Craftノーコードツール

更新頻度とCMSの関係

【毎日更新】
→ 使いやすさ最優先
推奨: WordPress(簡易版), Wix

【週1-2回更新】
→ バランス重視
推奨: WordPress, STUDIO

【月1回程度】
→ 機能性重視でOK
推奨: WordPress(高機能版)

【年数回】
→ CMSなしも選択肢
推奨: 静的サイト

チェックポイント

・更新担当者は決まっているか
・その人のITスキルレベルは?
・更新のための時間は確保できるか
・休暇時の代理担当者はいるか
・外注する予算はあるか

質問2:何を実現したいのか?

目的別CMS選定マトリクス

主目的必須機能推奨CMSコスト感
集客SEO, ブログ, フォームWordPress150-300万円
販売カート, 決済, 在庫管理Shopify100-500万円
ブランディングデザイン性, アニメーションSTUDIO80-200万円
情報提供更新の簡単さWix20-50万円
会員サービスログイン, マイページWordPress200-500万円
予約受付カレンダー, 決済WordPress+プラグイン150-300万円

機能要件チェックリスト

【基本機能】
・お問い合わせフォーム
・ブログ・ニュース更新
・SNS連携
・Google Analytics連携

【販売機能】
・ショッピングカート
・決済機能(クレカ・コンビニ等)
・在庫管理
・顧客管理

【会員機能】
・ログイン・ログアウト
・マイページ
・会員限定コンテンツ
・メルマガ配信

【高度な機能】
・多言語対応
・API連携
・予約システム
・イベント管理

優先順位の付け方

必須(Must Have):
これがないとビジネスが成立しない機能

重要(Should Have):
あると競争力が上がる機能

あると良い(Nice to Have):
将来的に追加したい機能

不要(Not Required):
当面必要ない機能

質問3:予算はいくらまで出せるのか?

3年間の総コストで考える

【初期費用だけで判断すると失敗する理由】

Wixの罠:
初期費用: 20万円(安い!)
月額費用: 3,000円 × 36ヶ月 = 10.8万円
機能追加: ほぼ不可能
作り直し: 200万円
→ 実質230万円

WordPressの現実:
初期費用: 200万円(高い...)
月額保守: 3万円 × 36ヶ月 = 108万円
機能追加: 50万円
→ 合計358万円だが、資産として残る

予算別の現実的な選択肢

予算規模3年総額現実的な選択妥協ポイント
超低予算〜30万円Wix, Jimdoデザイン、機能、SEO
低予算30-100万円STUDIO, WordPress最小構成拡張性、独自性
標準100-300万円WordPress標準一部機能
充実300-500万円WordPress/Shopifyフル装備なし
潤沢500万円〜独自開発も選択肢なし

隠れコストの見える化

【見落としがちな費用項目】
・ドメイン費用(年1-5千円)
・SSL証明書(年0-5万円)
・サーバー費用(月千円-5万円)
・バックアップ(月5千円-2万円)
・セキュリティ対策(月1-3万円)
・プラグイン/アプリ(月0-5万円)
・画像/動画素材(都度1-10万円)
・外部サービス連携(月千円-3万円)
・保守・アップデート(月1-10万円)
・コンテンツ制作(月5-30万円)

質問4:どのくらい長く使うつもりか?

利用期間別の最適解

利用期間特徴おすすめCMS理由
1年限定キャンペーンサイトSTUDIO, ペライチ低コストで済む
2-3年中期プロジェクトSTUDIO, Wixバランスが良い
3-5年標準的な企業サイトWordPress拡張性確保
5年以上長期資産WordPressデータ移行可能
永続的基幹システム独自開発完全コントロール

将来の変化を想定する

【3年後によくある要望】
Year 1: 
- とりあえず公開したい
- 基本情報だけでOK

Year 2:
- ブログを始めたい
- 問い合わせを増やしたい
- SEO対策したい

Year 3:
- EC機能を追加したい
- 会員機能が欲しい
- 多言語対応したい

→ これらに対応できるCMSか?

リニューアルサイクルの現実

業界別の平均リニューアル周期:

IT・Web系: 2-3年
製造業: 5-7年
サービス業: 3-5年
医療・士業: 5-10年
官公庁: 3-5年

→ あなたの業界は?

質問5:もし失敗したらどうするか?

撤退戦略(Exit Strategy)の重要性

【CMS別のデータ救出難易度】

WordPress:
- エクスポート機能完備
- XMLファイルで全データ取得可能
- 他CMSへの移行ツールあり
難易度: ★☆☆☆☆

Wix:
- エクスポート機能なし
- コピペで手動移行のみ
- 画像は個別ダウンロード
難易度: ★★★★★

Shopify:
- CSV形式でデータ出力
- 商品・顧客データは移行可能
- デザインは作り直し
難易度: ★★★☆☆

STUDIO:
- エクスポート機能限定的
- APIで一部データ取得可
- 基本は作り直し
難易度: ★★★★☆

失敗時の損失シミュレーション

CMS初期投資失敗時の回収可能資産実質損失
WordPress200万円コンテンツ、デザイン、データ(80%)40万円
Wix30万円ほぼなし(5%)28.5万円
Shopify100万円商品・顧客データ(40%)60万円
STUDIO80万円デザインの参考程度(10%)72万円

リスクヘッジの方法

【CMS選択のリスクを最小化する方法】

1. スモールスタート
- 最小構成で始める
- 段階的に機能追加
- 初期投資を抑える

2. 並行運用期間を設ける
- 旧サイトを残す
- 新サイトでテスト
- 問題があれば切り戻し

3. データのバックアップ体制
- 定期的なエクスポート
- 外部保存
- 複数形式で保管

4. 契約条件の確認
- 解約条件の明確化
- データ返却の保証
- 移行サポートの有無

診断結果:あなたに最適なCMS

5つの質問の回答パターン別診断

【パターンA:シンプル重視型】
Q1: 事務員が更新
Q2: 情報提供メイン
Q3: 予算100万円以下
Q4: 3年程度使用
Q5: 失敗時は作り直しOK
→ 診断結果: Wix or STUDIO

【パターンB:成長重視型】
Q1: Web担当者が更新
Q2: 集客・販売
Q3: 予算200-300万円
Q4: 5年以上使用
Q5: データ移行必須
→ 診断結果: WordPress

【パターンC:EC特化型】
Q1: 複数人で更新
Q2: オンライン販売
Q3: 予算150万円以上
Q4: 長期利用
Q5: 顧客データ重要
→ 診断結果: Shopify

【パターンD:デザイン重視型】
Q1: デザイナーが更新
Q2: ブランディング
Q3: 予算100-200万円
Q4: 2-3年でリニューアル
Q5: ビジュアル資産重要
→ 診断結果: STUDIO

まとめ:CMS選びの極意

最重要チェックリスト

✅ 更新者のスキルに合っているか
✅ 実現したい機能が可能か
✅ 3年間の総コストは予算内か
✅ 想定利用期間に適しているか
✅ 失敗時の損失は許容範囲か

プロからの最終アドバイス

「最適なCMS」は存在しません。 「あなたに最適なCMS」があるだけです。

5つの質問に正直に答えれば、自然と選択肢は絞られます。見栄や願望ではなく、現実的な運用を想定して選んでください。

そして覚えておいてください。CMSは手段であって目的ではありません。どんなに優れたCMSを選んでも、コンテンツが貧弱で、運用が雑では、成果は出ません。

CMSを選んだら、次は「どう活用するか」を考える番です。

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