競合分析のやり方を初心者向けに解説(無料ツール紹介)

競合分析なしでサイトを作る = 目隠しで戦うようなもの

「うちは独自性があるから競合なんて関係ない」

この考えは危険です。お客様は必ず比較して選びます。競合を知らずにサイトを作ることは、相手の手の内を知らずに勝負するようなものです。

本記事では、完全無料でできる競合分析の方法を、実際の画面付きで解説します。

1. そもそも「競合」とは誰なのか?

3種類の競合を理解する

【直接競合】
同じ商品・サービスを提供
例)税理士事務所 vs 税理士事務所

【間接競合】
違う方法で同じ課題を解決
例)税理士事務所 vs 会計ソフト

【検索競合】
Google検索で上位を争う相手
例)税理士事務所 vs 税理士紹介サイト

競合の見つけ方

方法使うツール得られる情報
Google検索ブラウザ検索上位のサイト
Google マップマップ地域の競合
Facebook広告ライブラリFacebook広告出稿企業
業界団体サイト各団体HP会員企業一覧
お客様に聞くアンケート実際に比較された企業

分析すべき競合数の目安

最低限:3社
理想的:5-7社
最大:10社(それ以上は時間の無駄)

【選定基準】
・直接競合:2-3社
・間接競合:1-2社
・憧れ企業:1社
・新興企業:1社

2. 無料ツールで調べられること

必須の無料分析ツール10選

ツール名用途調べられることURL
SimilarWebアクセス分析訪問者数、滞在時間similarweb.com
UbersuggestSEO分析キーワード、被リンクneilpatel.com/jp/ubersuggest
PageSpeed Insights速度測定表示速度、改善点pagespeed.web.dev
BuiltWith技術スタック使用CMS、ツールbuiltwith.com
Wayback Machine過去のサイトデザイン変遷archive.org
SEOチェキSEO基礎情報title、meta情報seocheki.net
SEOSITECHECKUPSEO診断総合スコアseositecheckup.com
Mobile-Friendly Testスマホ対応モバイル最適化Google公式
構造化データテスト構造化データスキーママークアップGoogle公式
Facebook広告ライブラリ広告分析出稿広告内容Facebook公式

SimilarWebでの分析方法(画面付き解説)

【調べられる項目】
1. 月間訪問者数
2. 平均滞在時間
3. 直帰率
4. ページ/セッション
5. トラフィックソース
6. 検索キーワード(一部)

【分析手順】
1. similarweb.comにアクセス
2. 競合サイトのURLを入力
3. 「Website Analysis」をクリック
4. 無料版で見られる範囲を確認

【注意点】
・小規模サイトはデータなし
・無料版は概算値
・月5回まで無料検索

3. 競合サイトの分析ポイント

デザイン・UI/UX分析

【チェック項目】
・ファーストビューの構成
・メニュー構造
・CTAボタンの配置
・色使い(メインカラー、アクセントカラー)
・フォント選択
・画像の使い方
・アニメーション有無
・スマホ対応の方法

コンテンツ分析シート

分析項目競合A競合B競合C自社の方針
ページ数30P50P20P25P目標
ブログ更新頻度週2回月1回更新なし週1回
事例掲載数10件5件20件15件目標
動画有無なしありなし検討中
料金掲載なしあり概算のみ概算掲載
FAQ数20個10個30個25個目標

機能面の比較

【基本機能】
・問い合わせフォーム
・資料ダウンロード
・会員機能
・予約システム
・チャット機能
・多言語対応

【特殊機能】
・見積もりシミュレーター
・AIチャットボット
・VR/AR機能
・マッチング機能
・口コミ・レビュー

4. SEO競合分析の具体的手順

Ubersuggestを使った分析

【無料で調べられること】
1. ドメインパワー(DA)
2. 月間オーガニックトラフィック
3. 被リンク数
4. 上位表示キーワード(一部)

【分析手順】
1. neilpatel.com/jp/ubersuggest/
2. 「ドメイン概要」を選択
3. 競合URLを入力
4. 日本/日本語を選択
5. 分析結果を確認

【重要指標の目安】
・DA(ドメインオーソリティ):30以上で強い
・被リンク数:100以上で信頼性高い
・月間トラフィック:業界による

キーワード分析の方法

分析ツール無料で分かること有料版の追加機能
Googleキーワードプランナー検索ボリューム概算詳細数値
ラッコキーワード関連キーワード検索ボリューム
Google Search Console自社の検索クエリ-
Answer The Public質問系キーワードデータエクスポート

競合のSEO戦略を読み解く

【title/metaタグ分析】
・どんなキーワードを含めているか
・文字数は何文字か
・感情に訴える言葉を使っているか

【コンテンツ戦略分析】
・どんなテーマでブログを書いているか
・更新頻度はどのくらいか
・文字数は平均何文字か
・内部リンクをどう張っているか

【被リンク戦略分析】
・どんなサイトからリンクされているか
・プレスリリースを出しているか
・ゲスト投稿をしているか

5. 分析結果をサイト制作に活かす方法

SWOT分析で戦略を立てる

【Strengths(強み)】
・競合にない独自サービス
・価格競争力
・地域密着

【Weaknesses(弱み)】
・知名度不足
・コンテンツ量が少ない
・デザインが古い

【Opportunities(機会)】
・競合が対応していないニーズ
・新しい技術の活用
・未開拓の顧客層

【Threats(脅威)】
・大手の参入
・価格競争
・技術の陳腐化

差別化ポイントの見つけ方

差別化の軸具体例実装方法
価格業界最安値料金比較表を作成
スピード即日対応リアルタイム予約システム
専門性特定業界特化業界別事例を充実
サポート24時間対応チャットボット導入
実績業界No.1数値・グラフで可視化

競合を超えるための投資配分

【競合が弱い部分に集中投資】

例1)競合のスマホ対応が不十分
→ モバイルファーストで設計(予算の40%)

例2)競合のコンテンツが薄い
→ 詳細な解説記事を量産(予算の30%)

例3)競合の表示速度が遅い
→ 高速化に注力(予算の20%)

6. 継続的な競合監視の仕組み

月次でチェックすべき項目

・新しいページ・コンテンツ追加
・デザインリニューアル
・新機能の追加
・キャンペーン・イベント
・SNS投稿内容
・広告出稿状況
・プレスリリース
・求人情報(事業拡大のサイン)

競合監視ツールの活用

ツール機能費用
Google アラートキーワード通知無料
Visualpingサイト変更通知無料〜
ContentKingSEO変更監視有料
Ahrefs被リンク監視有料

まとめ:競合分析チェックリスト

最低限やるべき競合分析

【30分でできる簡易版】
・Google検索で上位5社をリストアップ
・各社のトップページをスクショ
・ページ数とメニュー構成を確認
・PageSpeed Insightsで速度チェック
・スマホ表示を確認

【半日かける標準版】
・上記に加えて
・SimilarWebでアクセス分析
・Ubersuggestでドメインパワー確認
・主要ページの構成分析
・差別化ポイントの洗い出し

【1日かける詳細版】
・上記に加えて
・全ページのタイトル・見出し分析
・被リンク元の調査
・SNS・広告戦略の分析
・SWOT分析と戦略立案

分析結果の活用度チェック

・競合より優れている点を3つ言える
・競合の弱点を3つ把握している
・差別化ポイントが明確
・目標とする指標が決まっている
・追い抜くための戦略がある

競合分析は「真似」ではなく「超える」ためのものです。

良い部分は参考にしつつ、弱点を突いて差別化する。この視点で分析すれば、限られた予算でも競合に勝てるサイトが作れます。

「知己知彼、百戦不殆(敵を知り己を知れば百戦危うからず)」

2500年前の孫子の言葉は、現代のWeb戦略にもそのまま当てはまります。

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