【失敗談あり】運用計画なしで作ったサイトがこうなった…

作って終わりのサイトは100%失敗する

「とりあえず作ってから考えよう」

この甘い考えで始めたWebサイトの末路を、実際の失敗事例とともにお見せします。読んでいて胃が痛くなるかもしれませんが、これが現実です。

失敗事例1:更新担当者が決まっていなかった製造業A社

発生した問題

【初期状態】
・300万円かけて立派なサイト完成
・社長「みんなで更新していこう」
・具体的な担当者は未定

【3ヶ月後】
・最新情報が2ヶ月前で止まっている
・「みんな」の責任は「誰も」の責任
・お客様から「倒産したの?」と問い合わせ

【1年後】
・完全に放置状態
・SSL証明書の期限切れで警告表示
・Googleの検索順位が圏外に

損失額の計算

項目金額説明
初期制作費300万円大部分が無駄になった
機会損失推定500万円1年間の問い合わせ減
信用失墜計測不能「管理できない会社」の印象
再構築費用200万円やり直しコスト
合計損失1000万円以上

この失敗を防ぐ方法

✅ 運用体制の明文化
・主担当者:営業部○○さん(週2回更新)
・副担当者:総務部△△さん(休暇時対応)
・承認者:部長(月1回チェック)

✅ 更新ルールの設定
・お知らせ:週1回以上
・ブログ:月2回以上
・商品情報:変更時即座に

✅ 更新カレンダーの作成
・年間スケジュール作成
・季節イベントに合わせた更新計画
・担当者の休暇考慮

失敗事例2:予算を確保していなかった小売業B社

発生した問題

【初期状態】
・初期費用150万円は確保
・「運用費用は売上が上がってから」
・保守契約なし

【6ヶ月後】
・WordPressの脆弱性を突かれて改ざん
・復旧見積もり:50万円
・予算なく、1ヶ月間サイト停止

【現在】
・月10万円の機会損失が継続
・緊急対応で結局割高に
・社内でIT投資への不信感

年間運用コストの現実

項目月額年額削ると起きること
サーバー代1万円12万円サイト表示不可
ドメイン代-1万円サイト消滅
SSL証明書1千円1.2万円セキュリティ警告
保守費用3万円36万円障害時復旧不可
更新作業5万円60万円情報が古くなる
合計約10万円約110万円

予算確保のコツ

【初年度予算の内訳】
制作費:60%
運用費(初年度分):20%
コンテンツ制作:15%
予備費:5%

【2年目以降の予算】
月額固定費:5-10万円
年間改修費:50-100万円
マーケティング費:売上の3-5%

失敗事例3:パスワード管理が杜撰だった不動産C社

発生した問題

【初期状態】
・担当者1人がすべてのパスワード管理
・メモ帳に保存、パスワードは全部同じ
・引き継ぎ資料なし

【担当者退職後】
・WordPressログイン不可
・サーバーアクセス不可
・ドメイン管理画面も不明

【結果】
・サイト更新3ヶ月停止
・ドメイン更新忘れで失効寸前
・新サイト作り直し(400万円)

セキュアな管理体制

管理項目推奨方法NG例
パスワード保管パスワード管理ツール使用付箋、メモ帳
アクセス権限役職別に設定全員管理者権限
引き継ぎマニュアル作成口頭のみ
定期変更3ヶ月ごと永年同じ
二要素認証必須設定パスワードのみ

引き継ぎチェックリスト

・各種ログイン情報
  ・WordPress管理画面
  ・サーバー(FTP/SSH)
  ・ドメイン管理
  ・Google Analytics
  ・Search Console

・契約情報
  ・制作会社連絡先
  ・保守契約内容
  ・各種サービス契約

・運用ルール
  ・更新手順書
  ・承認フロー
  ・緊急時対応

失敗事例4:成果測定をしていなかった士業D事務所

発生した問題

【初期状態】
・200万円投資してリニューアル
・「きれいになったから満足」
・アクセス解析未設定

【1年後】
・問い合わせが減っているような...?
・原因不明で改善できない
・投資対効果が説明できない

【判明した事実】
・アクセス数:リニューアル前の30%
・直帰率:95%(業界平均50%)
・表示速度:8秒(許容範囲3秒)

最低限測定すべき指標

指標測定ツール確認頻度改善目安
アクセス数GA4週1回前月比10%UP
CV数GA4+フォーム日次月10件以上
直帰率GA4週1回50%以下
表示速度PageSpeed Insights月1回3秒以内
検索順位Search Console週1回10位以内

効果測定の仕組み化

【月次レポートの項目】
1. アクセス概況
  ・訪問者数、PV数
  ・流入元分析
  ・人気ページTOP10

2. コンバージョン分析
  ・問い合わせ数
  ・CV率
  ・離脱ポイント

3. 改善提案
  ・問題点の特定
  ・改善施策案
  ・必要予算

失敗事例5:バックアップを取っていなかった飲食店E

発生した問題

【事件発生】
・スタッフが誤って全記事削除
・3年分のブログ記事(300記事)消失
・バックアップなし

【損失】
・SEO評価リセット
・月間1万PV → 100PVに激減
・復旧不可能

【その後】
・集客力低下で売上20%減
・新規でコンテンツ作り直し(100万円)
・信頼回復に1年以上

バックアップ体制の構築

バックアップ種類頻度保存期間保存先
自動バックアップ毎日30日サーバー内
手動バックアップ週1回3ヶ月外部ストレージ
完全バックアップ月1回1年クラウド
緊急用大規模更新前永年複数箇所

復旧訓練の重要性

【四半期ごとの訓練項目】
・バックアップからの復元テスト
・復旧時間の測定
・データ整合性の確認
・手順書の更新
・担当者の教育

運用計画テンプレート

最低限必要な運用計画書

【1. 体制】
主担当:○○部 △△
副担当:□□部 ××
承認者:部長
緊急連絡先:000-0000-0000

【2. 更新ルール】
お知らせ:週1回(火曜日)
ブログ:月2回(第2・4金曜日)
メンテナンス:月1回(第1月曜日)

【3. 予算】
月額固定費:8万円
・サーバー:1万円
・保守:3万円
・更新作業:4万円
年間改修費:60万円

【4. 目標値】
月間PV:10,000
CV数:月20件
CV率:2%

【5. リスク対策】
バックアップ:毎日自動
パスワード管理:LastPass使用
緊急時対応:制作会社に連絡

まとめ:運用計画なしのリアルな末路

失敗の共通パターン

1. 「作ってから考える」→ 放置
2. 「みんなでやる」→ 誰もやらない
3. 「売上が出てから投資」→ 売上出ない
4. 「とりあえず公開」→ トラブル頻発
5. 「更新は簡単」→ 実は難しい

成功する運用の3原則

  1. 人を決める:名前入りで担当者指定
  2. 金を決める:年間予算を最初に確保
  3. ルールを決める:更新頻度と承認フロー

運用計画の投資対効果

投資リターンROI
運用計画策定(20万円)トラブル回避(500万円)2400%
月額保守(3万円)安定稼働プライスレス
定期更新(5万円)SEO効果・信頼性300%

運用計画なしでWebサイトを作ることは、ブレーキのない車を買うようなものです。

最初は走れても、いずれ必ず事故を起こします。制作費の20%を運用計画に充てるだけで、これらの失敗はすべて防げます。

「作ってから考える」のではなく、「作る前に運用を設計する」。これが成功の鉄則です。

関連するお悩み

この記事で解決できるお悩みや疑問