運用フェーズで制作会社と良い関係を保つ方法
サイト公開で燃え尽きていませんか?実は運用フェーズこそ、制作会社との関係性が本当の価値を発揮する時期です。単なる保守契約を超えて、成長のパートナーとして良好な関係を保つ方法を詳しく解説します。
運用フェーズでよくある関係悪化パターン
パターン1:放置型
公開後の状況:
「サイトが完成したから、もう連絡しない」
↓
3ヶ月後:
「急ぎで修正して!」
↓
制作会社:
「リソースが空いていません...」
パターン2:丸投げ型
「月額払ってるんだから全部やって」
↓
制作会社:
「それは契約範囲外です」
↓
関係悪化
パターン3:コスト削減型
「運用費用を削減したい」
↓
サービスレベル低下
↓
不満の蓄積
↓
最終的により高いコスト
良好な関係を保つ5つの原則
1. 定期的なコミュニケーション
推奨する接点:
日常:
・週1回の進捗共有(メール/Slack)
・月1回の定例会議(30分)
・四半期ごとの戦略会議(2時間)
イベント時:
・成果のお祝い
・年末年始の挨拶
・周年記念
2. 明確な期待値の設定
運用開始時に決めること:
【サービスレベル合意書(SLA)】
項目 | 内容 | 基準
-----------------------
対応時間 | 営業時間内 | 9:00-18:00
初回返答 | 問い合わせから | 24時間以内
更新作業 | 依頼から完了 | 3営業日
緊急対応 | 障害発生から | 2時間以内
定期報告 | レポート提出 | 月初5営業日
3. 相互利益の追求
Win-Winの関係構築:
発注者のメリット:
- 安定的なサポート
- 優先的な対応
- 継続的な改善
制作会社のメリット:
- 安定的な収益
- 長期的な関係
- 実績の蓄積
4. 適切な評価とフィードバック
定期評価の実施:
良い点を伝える:
「今月の対応、とても早くて助かりました」
「提案いただいた改善で成果が出ました」
改善要望も建設的に:
「○○について、△△だともっと良いです」
「次回から××をお願いできますか?」
5. 成長への投資意識
投資としての運用費:
コスト思考:
月10万円 = 年間120万円の支出
投資思考:
月10万円 = 問い合わせ20件増加
= 売上400万円増加
= ROI 333%
月次運用を成功させる仕組み
効果的な月次レポート
レポートに含めるべき内容:
1. 実施内容(1ページ)
- 更新作業一覧
- 対応した問題
- 実施した施策
2. 成果指標(1ページ)
- アクセス数推移
- コンバージョン数
- 前月比・前年同月比
3. 発見と提案(1ページ)
- 気づいた課題
- 改善提案
- 次月の計画
月次ミーティングの進め方
アジェンダ例(30分):
1. 先月の振り返り(5分)
- 実施内容確認
- 成果確認
2. 数値レビュー(10分)
- KPI達成状況
- 特筆すべき変化
3. 今月の計画(10分)
- 予定している作業
- 必要な準備
4. 相談事項(5分)
- 課題共有
- 新しい要望
契約更新を円滑にする準備
3ヶ月前から始める更新準備
3ヶ月前:
・現契約の評価
・次年度の計画策定
・予算の確認
2ヶ月前:
・契約条件の見直し
・改善要望の整理
・他社比較(必要なら)
1ヶ月前:
・契約内容の最終調整
・社内承認
・契約締結
契約更新時の交渉ポイント
建設的な交渉:
良い例:
「今年度の成果を踏まえ、来年度は
○○を強化したいので、△△プランへの
変更を検討できますか?」
悪い例:
「高いから安くして」
「他社はもっと安い」
トラブル時の対応で関係性が決まる
トラブル対応の黄金律
1. 迅速な第一報
発見から30分以内に連絡
内容:
- 何が起きているか
- 影響範囲
- 対応状況
2. 協力的な問題解決
責任追及より解決優先
「誰のせい」ではなく「どう解決するか」
3. 再発防止の共有
原因分析 → 対策立案 → 実施 → 効果検証
運用フェーズでの関係進化モデル
Level 1:保守ベンダー(0〜6ヶ月)
関係性:契約に基づく作業実施
やり取り:事務的な依頼と報告
価値:現状維持
Level 2:運用パートナー(6〜12ヶ月)
関係性:定期的な改善提案
やり取り:相談ベースの対話
価値:継続的な改善
Level 3:戦略パートナー(1年〜)
関係性:ビジネス目標の共有
やり取り:戦略的な議論
価値:ビジネス成長への貢献
制作会社のモチベーションを上げる方法
1. 成果の共有
「先月の施策で問い合わせが30%増えました!」
「おかげさまで売上目標達成しました」
2. 実績としての活用許可
「事例として掲載OKです」
「セミナーで紹介してください」
3. 紹介・推薦
「知り合いの会社に紹介しました」
「推薦状を書きます」
4. 適切な対価
「追加作業分はきちんとお支払いします」
「成果が出たのでボーナスを」
5. 人間的な配慮
「いつもありがとうございます」
「無理のないスケジュールで」
「お疲れ様でした」
運用コストを価値に変える
価値創出の方程式
運用費用 × 活用度 = 創出価値
月10万円 × 低活用(30%) = 3万円の価値
月10万円 × 高活用(150%) = 15万円の価値
活用度を上げる具体策
・定期的な更新依頼
・改善提案の実施
・データ分析の依頼
・新機能の相談
・競合調査の依頼
・マーケティング相談
長期運用の成功事例
事例:B社(5年間の運用)
1年目:
月額:5万円
内容:基本保守のみ
成果:安定運用
3年目:
月額:15万円
内容:保守+改善+マーケティング
成果:売上200%成長
5年目:
月額:30万円
内容:総合的なデジタルマーケティング
成果:業界トップクラスのWeb活用
成功要因:
- 段階的な関係深化
- 成果に基づく投資拡大
- 相互信頼の構築
運用フェーズのチェックリスト
毎月確認すること
- 更新作業は予定通りか
- 不具合は発生していないか
- 改善提案はあるか
- コミュニケーションは良好か
- 費用対効果は適切か
四半期ごとに確認すること
- KPIは達成しているか
- 契約内容は適切か
- 新しいニーズはないか
- 関係性は良好か
- 次の施策は明確か
年次で確認すること
- 年間目標は達成したか
- 投資対効果は十分か
- 契約更新すべきか
- 関係を深化させるか
- 新たな取り組みはあるか
まとめ:運用フェーズこそ真価を発揮
運用フェーズでの関係性が、Web活用の成否を決めます。
成功の要諦:
- コミュニケーションを絶やさない
- 期待値を明確にする
- Win-Winを追求する
- 適切に評価する
- 共に成長する意識を持つ
最重要ポイント: 運用は「コスト」ではなく「投資」。制作会社は「業者」ではなく「パートナー」。
この意識を持って関係を築けば、月額費用の何倍もの価値を生み出すことができます。今日から、制作会社との関係を見直し、真のパートナーシップを築いていきましょう。
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