制作会社の実績ページの正しい見方

実績ページには真実の3割しか載っていない

「実績多数!」「大手企業の制作実績!」「累計1000サイト制作!」

制作会社の実績ページはキラキラした成功事例で溢れています。でも、その裏側には見せたくない失敗プロジェクトが山積み。

実績ページから本当の実力を見抜く方法を知らないと、表面的な情報に騙されて、後悔することになります。

チェック1:実績の鮮度を確認する

実績の制作時期による評価

制作時期評価注意点確認方法
1年以内最新技術に対応公開日を確認
1-2年前標準的デザイントレンド確認
2-3年前やや古いスマホ対応確認
3-5年前×技術が古いSSL対応確認
5年以上前参考にならない現在も稼働中か確認

古い実績ばかりの危険信号

【こんな実績ページは要注意】

  • 最新実績が1年以上前
  • Flash時代のサイトが混在
  • スマホ未対応サイトが多い
  • リンク切れが3割以上
  • 「リニューアル済み」の注釈だらけ
【なぜ危険か】
・最近は受注できていない
・技術アップデートができていない
・既存クライアントが離れている
・品質管理ができていない

チェック2:URLの生存確認

リンク切れが示す真実

【実績URLチェック結果の見方】

リンク切れ0-10%:
→ 優良(しっかり管理)

リンク切れ10-30%:
→ 普通(やや管理不足)

リンク切れ30-50%:
→ 問題あり(フォロー不足)

リンク切れ50%以上:
→ 危険(信頼性に疑問)

URL確認で分かること

確認項目何が分かるかチェック方法
SSL対応セキュリティ意識https://で始まるか
表示速度技術力PageSpeed Insights
スマホ対応基本スキルスマホで実際に確認
更新頻度運用サポート力最終更新日確認
エラー有無品質管理Console確認

チェック3:デザインの多様性

同じようなデザインばかりは危険

【デザインパターン分析】

多様性あり(安心):
・業種ごとに異なるテイスト
・カラーバリエーション豊富
・レイアウトパターン多数
・独自性が感じられる

テンプレート依存(注意):
・似たようなヘッダー
・同じフォント使用
・ボタンデザイン統一
・写真の使い方が同じ

完全テンプレート(危険):
・ロゴ以外ほぼ同じ
・色違いだけ
・構成が全て同一
・オリジナリティゼロ

業種別対応力の見極め

業種重視すべきポイント実績確認項目
BtoB信頼感・情報設計導線の明確さ
BtoC魅力・購買意欲ビジュアル訴求力
EC使いやすさ・決済カート機能
医療清潔感・信頼性法規制対応
飲食食欲・雰囲気写真クオリティ

チェック4:クライアント規模の偏り

規模別実績の理想的バランス

【実績の規模分布】

理想的なバランス:
・大企業: 20%(信頼性の証明)
・中堅企業: 40%(主力ゾーン)
・中小企業: 30%(対応力の幅)
・スタートアップ: 10%(柔軟性)

偏りがある場合の解釈:
大企業ばかり → 高額、柔軟性低い
中小ばかり → 大規模案件は不安
同規模ばかり → 対応の幅が狭い

クライアント名の表示方法

表示方法信頼度注意点
社名+ロゴ+URL★★★★★最も信頼できる
社名+URL★★★★☆確認可能
社名のみ★★★☆☆要確認
業種のみ★★☆☆☆やや不透明
非公開★☆☆☆☆信頼性低い

チェック5:制作期間と規模

プロジェクト詳細の読み方

【実績詳細に書かれているべき情報】

必須情報:
✓ 制作期間(○ヶ月)
✓ ページ数/規模
✓ 主要機能
✓ 使用技術/CMS
✓ 担当範囲

あると良い情報:
・プロジェクト体制
・課題と解決策
・成果・効果
・クライアントの声
・制作費レンジ

制作期間から分かる実力

ページ数適正期間短すぎる場合長すぎる場合
5P1.5-2ヶ月テンプレート効率が悪い
10P2-3ヶ月品質不安コスト高
30P3-4ヶ月無理がある体制に問題
50P+4-6ヶ月ありえない要員不足

チェック6:ビフォーアフター

リニューアル実績の見方

【リニューアル実績で確認すること】

改善ポイントの明確化:
・課題が具体的に記載
・解決方法が論理的
・効果測定データあり
・クライアントの評価

危険なリニューアル実績:
・ビフォーが表示されない
・「デザインを刷新」だけ
・具体的な改善点なし
・自画自賛のみ

チェック7:継続案件の有無

継続率が示す満足度

【継続案件の割合による評価】

継続率70%以上:
→ 優秀(高い顧客満足度)

継続率50-70%:
→ 標準的

継続率30-50%:
→ やや問題あり

継続率30%未満:
→ 危険(何か問題がある)

【確認方法】
・同じクライアント名が複数
・「第2弾」「フェーズ2」の記載
・年度ごとの更新実績
・保守運用の実績

チェック8:受賞歴・認定

賞の価値を見極める

賞の種類信頼度評価ポイント
国際的な賞★★★★★世界レベルの実力
国内主要賞★★★★☆業界認知度高い
地域の賞★★★☆☆地元での信頼
自称受賞★☆☆☆☆参考にならない
認定パートナー★★★★☆技術力の証明

チェック9:技術スタック

使用技術から分かること

【技術レベルの判断基準】

最新技術を使用:
・React/Vue/Next.js
・Tailwind CSS
・Headless CMS
・JAMstack
→ 技術力高い

標準的な技術:
・WordPress
・jQuery
・Bootstrap
→ 一般的なレベル

古い技術のみ:
・Flash(まさか)
・table レイアウト
・IE6対応
→ 時代遅れ

チェック10:実績の見せ方

プレゼンテーション能力

【実績ページの品質】

優れた実績ページ:
✓ 見やすいレイアウト
✓ 適切なカテゴリ分け
✓ 検索・フィルター機能
✓ 詳細ページあり
✓ 定期的な更新

問題のある実績ページ:
✗ ただの画像羅列
✗ 情報が少なすぎる
✗ 読み込みが遅い
✗ スマホで見づらい
✗ 更新されていない

実績分析シート

10項目の総合評価

【制作会社実績評価シート】

・実績の鮮度(最新1年以内が50%以上)
・URLの生存率(90%以上が稼働中)
・デザインの多様性(テンプレート感なし)
・クライアント規模(バランスが良い)
・制作詳細の充実度(期間・規模明記)
・リニューアル実績(改善点が明確)
・継続案件あり(リピート率50%以上)
・受賞歴・認定(信頼できる賞)
・最新技術の使用(時代に対応)
・実績ページの品質(見やすく更新されている)

8個以上✓ → 優良会社
6-7個✓ → 標準的
4-5個✓ → 要検討
3個以下✓ → 避けるべき

直接確認すべき質問

実績について聞くべきこと

【面談時の質問リスト】

1. 直近3ヶ月の制作実績を教えてください
2. 弊社と同業種の実績はありますか?
3. 失敗プロジェクトの経験と対策は?
4. 最も得意とする案件規模は?
5. リピート率はどのくらいですか?
6. 制作後のクライアントの評価は?
7. 実績に載せられない案件の割合は?
8. 炎上プロジェクトの経験は?
9. 納期遅延の発生率は?
10. クレームの内容と対応策は?

まとめ:実績の本質を見抜く

最終チェックポイント

・実績は定期的に更新されているか
・成功事例だけでなく課題解決が見えるか
・クライアントとの関係性が良好か
・技術的な進化が見られるか
・自社に近い規模・業種の実績があるか

結論:キラキラした実績に騙されるな

実績ページは制作会社の「営業ツール」です。都合の良い情報だけを見せています。

大切なのは、載っている情報から「載っていない情報」を推測すること。リンク切れ、古いデザイン、同じようなテンプレート...これらは全て、その会社の本当の実力を物語っています。

実績を正しく読み解けば、制作会社選びで失敗する確率は劇的に下がります

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