サイト運用を外注するメリットとデメリット

「サイト公開後の運用はどうすればいい?」多くの企業が悩む問題です。自社運用と外注にはそれぞれメリット・デメリットがあり、企業の状況により最適解は異なります。判断基準と成功のポイントを詳しく解説します。

サイト運用の業務範囲

日常的な運用業務

コンテンツ更新:

  • お知らせ・ニュース更新
  • ブログ記事投稿
  • 商品情報更新
  • イベント情報掲載
  • 画像・動画の差し替え

技術的な保守:

  • セキュリティアップデート
  • バックアップ取得
  • サーバー監視
  • 障害対応
  • バグ修正

マーケティング運用:

  • アクセス解析
  • SEO対策
  • 広告運用
  • SNS連携
  • メルマガ配信

外注のメリット:プロに任せる価値

1. 専門知識と経験

技術面の安心:

自社:トラブル時に対応できない
外注:24時間365日の監視体制
   緊急時の迅速な対応
   最新のセキュリティ対策

品質の担保:

  • プロのライティング
  • デザインの一貫性
  • SEOを考慮した更新
  • ユーザビリティの維持

2. コスト効率

人件費との比較:

自社採用の場合:
正社員1名:年収400万円+社会保険等
      → 実質年間600万円

外注の場合:
月額5〜10万円 × 12ヶ月
      → 年間60〜120万円

3. リソースの最適化

本業への集中:

  • コア業務に人材を配置
  • 専門外の業務から解放
  • 戦略立案に時間を使える

4. 継続性と安定性

属人化の回避:

  • 担当者退職のリスクなし
  • ノウハウの蓄積
  • 安定した品質

5. 最新トレンドへの対応

常に最新の状態:

  • 新技術への対応
  • デザイントレンドの反映
  • 競合動向の把握

外注のデメリット:注意すべきリスク

1. コントロールの難しさ

レスポンスの問題:

自社:即座に対応可能
外注:契約範囲の確認が必要
   優先順位の調整
   追加費用の可能性

2. コミュニケーションコスト

やり取りの手間:

  • 指示書の作成
  • 確認作業
  • 修正依頼
  • 進捗管理

3. 情報セキュリティ

リスク要因:

  • 機密情報の取り扱い
  • アクセス権限管理
  • 情報漏洩リスク
  • 契約終了時のデータ移管

4. 依存リスク

ベンダーロックイン:

  • 特定業者への依存
  • 乗り換えの困難さ
  • 価格交渉力の低下

5. 追加コストの発生

想定外の費用:

  • 緊急対応費
  • 範囲外の作業
  • 仕様変更
  • トラブル対応

自社運用のメリット・デメリット

メリット

直接的なコントロール:

  • 即座の対応
  • 柔軟な変更
  • 社内情報の活用
  • ノウハウ蓄積

デメリット

リソースの課題:

  • 人材確保の困難
  • 教育コスト
  • 属人化リスク
  • 品質のばらつき

運用方式の比較表

項目完全外注一部外注完全内製
初期コスト
月額コスト5-20万3-10万人件費
対応速度契約次第
品質高・安定変動
柔軟性
セキュリティ要管理要管理自社管理
ノウハウ蓄積

最適な運用体制の選び方

外注が向いている企業

企業特性:

・社内にWeb担当者がいない
・月数回程度の更新頻度
・技術的な知識がない
・本業に集中したい
・予算に制約がある

推奨プラン:

  • 月額5〜10万円の保守契約
  • 更新回数制限あり
  • 緊急対応込み

内製が向いている企業

企業特性:

・日次での更新が必要
・機密情報が多い
・独自性を追求
・Web人材がいる
・長期的にノウハウを蓄積したい

必要な体制:

  • 専任担当者1〜2名
  • 外部研修の活用
  • ツールへの投資

ハイブリッド型が最適な企業

企業特性:

・定期更新は自社で
・技術面は外注
・コストと品質のバランス重視
・段階的に内製化したい

役割分担例:

自社:
- お知らせ更新
- ブログ投稿
- 簡単な画像差し替え

外注:
- システム保守
- セキュリティ対策
- デザイン制作
- 大規模更新

保守契約の種類と相場

ベーシックプラン(月額3〜5万円)

内容:

  • サーバー監視
  • 定期バックアップ
  • セキュリティアップデート
  • 月1〜2回の軽微な修正

向いている企業:

  • 更新頻度が低い
  • 予算が限られる
  • 最低限の保守で十分

スタンダードプラン(月額5〜15万円)

内容:

  • ベーシックプラン+
  • 月5回程度の更新作業
  • 簡単なバナー制作
  • アクセス解析レポート

向いている企業:

  • 定期的な更新がある
  • マーケティング支援も欲しい
  • 安定運用を重視

プレミアムプラン(月額15万円〜)

内容:

  • 無制限の更新作業
  • コンテンツ制作
  • SEO対策
  • 広告運用サポート
  • 改善提案

向いている企業:

  • 積極的な運用
  • 成果を重視
  • 戦略的パートナーが欲しい

外注先の選び方

評価ポイント

必須確認事項:

・対応時間(営業時間内?24時間?)
・対応速度(即日?3営業日?)
・契約に含まれる作業範囲
・追加料金の基準
・実績と評判
・セキュリティ体制
・契約解除条件

レッドフラグ

避けるべき業者:

  • 契約内容が曖昧
  • 解約が困難
  • 追加費用が不明確
  • 実績が不明
  • レスポンスが遅い

内製化への移行ステップ

段階的な移行プラン

Step 1(0〜6ヶ月):

完全外注
- 運用方法を学ぶ
- マニュアル作成依頼
- 更新作業の見学

Step 2(6〜12ヶ月):

共同運用
- 簡単な更新は自社
- 技術面は外注継続
- 月次レビュー実施

Step 3(12ヶ月〜):

自社運用+スポット外注
- 日常運用は内製
- 大規模更新は外注
- 緊急時のみサポート

成功事例と失敗事例

成功事例:適切な役割分担

A社(製造業・従業員50名):

体制:技術面外注+コンテンツ内製
費用:月額8万円
効果:
- 安定運用を実現
- 更新頻度3倍に
- 問い合わせ2倍増

失敗事例:丸投げの弊害

B社(サービス業・従業員30名):

体制:完全外注(丸投げ)
問題:
- 更新が他人事に
- コンテンツの質低下
- 費用対効果が不明
- 3年後に内製化も困難

運用改善のチェックリスト

外注の場合

  • ✔︎ 月次レポートを受け取っているか
  • ✔︎ KPIは達成しているか
  • ✔︎ コストパフォーマンスは適切か
  • ✔︎ コミュニケーションは円滑か
  • ✔︎ 契約内容の見直し時期か

内製の場合

  • ✔︎ 担当者の負荷は適切か
  • ✔︎ 品質は保たれているか
  • ✔︎ 最新知識をキャッチアップしているか
  • ✔︎ バックアップ体制はあるか
  • ✔︎ 効率化の余地はないか

まとめ:最適な運用体制を見つける

サイト運用の外注/内製は、二者択一ではありません。

判断のポイント:

  1. 更新頻度と内容
  2. 社内リソース
  3. 予算とコスト
  4. 求める品質レベル
  5. 長期的な方針

成功の鍵:

  • 明確な役割分担
  • 定期的なコミュニケーション体制の構築
  • 定期的な見直し
  • 段階的な最適化

重要なのは「丸投げ」にしないこと。外注する場合も主体性を持ち、内製する場合も外部の知見を活用する。このバランスが、効果的なサイト運用につながります。

まずは現状分析から始め、3ヶ月ごとに体制を見直しながら、自社に最適な運用方法を見つけていきましょう。

関連するお悩み

この記事で解決できるお悩みや疑問