ホームページ制作の相場をページ数別・機能別に解説
なぜ10倍も価格差があるのか?
「5ページのサイトで50万円」という見積もりと、「5ページのサイトで500万円」という見積もり。
同じページ数なのになぜ10倍も違うのか?
実は、Web制作の価格は「ページ数」だけでは決まりません。デザイン、機能、品質、サポート...様々な要素が絡み合って価格が決まります。
この記事では、2024年の最新相場を徹底解説。あなたのプロジェクトの適正価格が分かります。
ページ数別の基本相場
規模別価格レンジ(2024年版)
| ページ数 | 最低価格帯 | 標準価格帯 | 高品質価格帯 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1ページ(LP) | 10-30万円 | 30-80万円 | 80-200万円 | 縦長の1ページ |
| 5ページ | 30-50万円 | 50-150万円 | 150-300万円 | 最小構成 |
| 10ページ | 50-100万円 | 100-300万円 | 300-500万円 | 標準的な企業サイト |
| 20ページ | 100-200万円 | 200-500万円 | 500-800万円 | 中規模サイト |
| 30ページ | 150-300万円 | 300-700万円 | 700-1000万円 | 大規模サイト |
| 50ページ以上 | 300万円〜 | 500万円〜 | 1000万円〜 | 要個別見積 |
価格帯別の違い
【最低価格帯の特徴】
・テンプレート使用
・デザイン案1つ
・最小限の機能
・修正回数制限あり
・サポート最小限
【標準価格帯の特徴】
・セミオーダーデザイン
・デザイン案2-3つ
・必要な機能は網羅
・修正5回程度
・3ヶ月程度のサポート
【高品質価格帯の特徴】
・完全オリジナルデザイン
・デザイン案無制限
・高度な機能実装
・修正無制限
・長期サポート込み
機能別の追加費用相場
基本機能の価格表
| 機能 | 簡易版 | 標準版 | 高機能版 |
|---|---|---|---|
| お問い合わせフォーム | 3-5万円 | 10-20万円 | 30-50万円 |
| ブログ/ニュース | 5-10万円 | 20-30万円 | 50-80万円 |
| 会員機能 | 30-50万円 | 80-150万円 | 200-500万円 |
| EC機能 | 50-100万円 | 150-300万円 | 500万円〜 |
| 予約システム | 20-50万円 | 80-150万円 | 300-500万円 |
| 多言語対応 | 20-30万円 | 50-100万円 | 200-300万円 |
| 検索機能 | 10-20万円 | 30-50万円 | 100-200万円 |
機能の詳細と価格差の理由
【お問い合わせフォーム】
簡易版(3-5万円):
・名前、メール、内容のみ
・自動返信なし
・管理画面なし
標準版(10-20万円):
・10項目程度
・自動返信あり
・入力チェック機能
・スパム対策
高機能版(30-50万円):
・条件分岐
・ファイル添付
・CRM連携
・高度なバリデーション
【会員機能】
簡易版(30-50万円):
・ログイン/ログアウト
・基本的なマイページ
・パスワード変更
標準版(80-150万円):
・会員ランク機能
・ポイント機能
・メルマガ配信
・会員限定コンテンツ
高機能版(200-500万円):
・SNSログイン
・決済機能連携
・高度な権限管理
・API連携
デザイン費用の内訳
デザイン工程別の費用
| 工程 | 費用レンジ | 作業内容 | 納品物 |
|---|---|---|---|
| 企画・構成 | 10-50万円 | サイトマップ、ワイヤーフレーム | 設計書 |
| デザイン制作 | 30-200万円 | ビジュアルデザイン | デザインデータ |
| ロゴ制作 | 5-50万円 | ロゴデザイン | AI/PSDデータ |
| イラスト制作 | 1-10万円/点 | オリジナルイラスト | 画像データ |
| 写真撮影 | 10-50万円/日 | プロカメラマン撮影 | 編集済み写真 |
| 動画制作 | 30-300万円 | 紹介動画等 | 動画ファイル |
テンプレート vs オリジナルデザイン
【テンプレート使用】
費用: 0-10万円
メリット:
・安い
・早い
・実績ある
デメリット:
・他社と被る
・カスタマイズ制限
・ブランディング効果低
【セミカスタム】
費用: 30-80万円
メリット:
・コストバランス良
・ある程度の独自性
・制作期間短め
デメリット:
・完全オリジナルではない
・制限あり
【フルオリジナル】
費用: 100-300万円
メリット:
・完全独自
・ブランディング効果大
・制限なし
デメリット:
・高額
・制作期間長い
・失敗リスク
CMS別の構築費用
主要CMS導入費用比較
| CMS | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ費用 | 適した規模 |
|---|---|---|---|---|
| WordPress | 30-200万円 | 1-5万円 | 50-500万円 | 全規模 |
| Movable Type | 50-300万円 | 3-10万円 | 100-800万円 | 中〜大規模 |
| Drupal | 100-500万円 | 5-20万円 | 200-1000万円 | 大規模 |
| 独自CMS | 300万円〜 | 10万円〜 | 要見積 | 特殊要件 |
| Wix/Jimdo | 0-30万円 | 1-3千円 | 制限あり | 小規模 |
| Shopify | 30-200万円 | 3千-4万円 | 50-300万円 | EC特化 |
業種別の相場感
業種特有の要件と費用
【医療機関】
相場: 200-500万円
特殊要件:
・医療広告ガイドライン対応
・予約システム必須
・アクセシビリティ重視
・信頼性重視のデザイン
【士業(弁護士・税理士)】
相場: 100-300万円
特殊要件:
・事例紹介機能
・相談予約フォーム
・専門性を示すコンテンツ
・SEO対策重視
【飲食店】
相場: 50-200万円
特殊要件:
・メニュー表示
・予約機能
・写真重視
・スマホ最適化必須
【製造業】
相場: 150-500万円
特殊要件:
・製品カタログ機能
・多言語対応
・技術情報の整理
・BtoB機能
【ECサイト】
相場: 200-1000万円
特殊要件:
・カート機能
・決済システム
・在庫管理
・会員機能
隠れコストに注意
見落としがちな費用項目
| 項目 | 費用 | 頻度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ドメイン取得 | 1-5千円 | 年1回 | .jpは高め |
| SSL証明書 | 0-10万円 | 年1回 | 無料版あり |
| サーバー費用 | 月1千-10万円 | 毎月 | アクセス数次第 |
| 保守費用 | 月1-10万円 | 毎月 | CMSにより変動 |
| 更新作業 | 1-5万円/回 | 都度 | 自社対応可能 |
| バックアップ | 月5千-3万円 | 毎月 | 自動化推奨 |
| セキュリティ対策 | 月1-5万円 | 毎月 | 必須 |
| 広告・集客 | 月5-50万円 | 毎月 | SEO/リスティング |
3年間のトータルコスト計算
【100万円のサイトの3年間コスト】
初期費用: 100万円
月額費用:
・サーバー: 5千円 × 36 = 18万円
・保守: 2万円 × 36 = 72万円
・更新: 2万円 × 12回 = 24万円
3年間合計: 214万円
【500万円のサイトの3年間コスト】
初期費用: 500万円
月額費用:
・サーバー: 3万円 × 36 = 108万円
・保守: 5万円 × 36 = 180万円
・更新: 内製化 = 0円
3年間合計: 788万円
フリーランス vs 制作会社
発注先別の価格差
| 項目 | フリーランス | 小規模制作会社 | 中堅制作会社 | 大手制作会社 |
|---|---|---|---|---|
| 10Pサイト相場 | 30-100万円 | 80-200万円 | 150-400万円 | 300-800万円 |
| 納期 | 1-2ヶ月 | 2-3ヶ月 | 3-4ヶ月 | 4-6ヶ月 |
| 品質 | バラつき大 | 標準的 | 安定 | 高品質 |
| サポート | 限定的 | 基本的 | 充実 | 手厚い |
| リスク | 高い | 中程度 | 低い | 最小 |
選び方の基準
【フリーランスが適している場合】
・予算が限られている(100万円以下)
・小規模なサイト
・スピード重視
・直接やり取りしたい
【制作会社が適している場合】
・予算に余裕がある
・品質重視
・長期的なサポート必要
・複数人でのチェック体制必要
値引き交渉の現実
交渉可能な項目と限界
【交渉しやすい項目】
✓ 支払い条件(前払い割引)
✓ 納期(余裕を持たせて割引)
✓ 作業範囲(一部自社対応)
✓ 継続案件前提の初回割引
【交渉が難しい項目】
× 単純な値引き要求
× 品質を下げての割引
× 工数を無視した要求
× 相場を大きく下回る要求
【現実的な交渉例】
「予算が150万円しかないが、
原稿は全て自社で用意し、
写真も提供するので、
その分を調整できないか」
適正価格の判断基準
価格評価チェックリスト
・作業内容が明確に記載されているか
・工数の根拠が示されているか
・他社と比較して極端ではないか
・追加費用の可能性が明記されているか
・保証・サポート内容と価格のバランス
・実績と価格が見合っているか
・支払い条件は適正か
まとめ:コストと価値のバランス
予算別の現実的な選択
【予算50万円以下】
→ テンプレート活用の5ページサイト
→ フリーランスに依頼
→ 最小限の機能
【予算100-200万円】
→ セミオーダーの10ページサイト
→ 小規模制作会社
→ 基本的な機能を網羅
【予算300-500万円】
→ オリジナルデザインの20ページサイト
→ 中堅制作会社
→ 必要な機能は全て実装
【予算500万円以上】
→ フルカスタムの大規模サイト
→ 大手制作会社
→ 高度な要件にも対応
結論:安さだけで選ぶと、結局高くつく
Web制作の価格は「投資」として考えるべきです。50万円で作って効果がないサイトより、200万円かけて売上が上がるサイトの方が、結果的に「安い」のです。
大切なのは、予算と目的のバランス。この記事の相場を参考に、適正価格で最大の効果を得られる発注を目指してください。
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